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2014年

年末調整について

 今年も残すところあと1か月。ということで、今回のテーマは年末調整についてです。
 給与所得者にとっては必ずと言っていいほどこの時期耳にする「年末調整」という言葉。ただ実際のところ、会社から渡された用紙に記入し、印鑑を押してはいるものの、なぜこのような手続きをしているのかを具体的に理解している人は少ないのではないでしょうか。
 そもそも年末調整とは、給与の支払者によって源泉徴収税額表に基づき源泉徴収された所得税及び復興特別税の1年間の合計額と、その年の給与総額に応じて納めなければならない税額(年税額)とを比較し、過不足額を精算する手続きです。この手続きを経ているからこそ給与所得者の皆さんに税金が還付されるなどのことが起きるわけです。
 ただなぜ源泉徴収された税金の合計額と、その年の年税額が一致しないのか。それには主にこれらの理由が挙げられます。

@実際は年の中途で給与の額に変動がある。(税額表は年間を通して給与の額に変動がないものとして作られている)
A年の中途に控除対象扶養親族の数に異動があっても、遡って各月の源泉徴収税額を修正することとされていない。
B配偶者特別控除や生命保険料、地震保険料の控除などは年末調整の際に控除することとされている。


これら以外にも理由はありますが、こういったことから不一致が生じるわけです。それを精算する手続きが年末調整です。
 ではどういった人達が年末調整の対象となるのでしょうか。

@1年を通じて勤務している人。
A年の途中で就職し、年末まで勤務している人。
B年の途中で退職した人のうち、次の人。
・死亡により退職 
・心身の障害のため退職し、その時期から見て本年中に再就職できない見込み。 
・12月中に支給期の到来する給与の支払いを受けた後に退職。
・パートタイムで働いている人などが退職した場合で、本年中に支払いを受ける給与が103万円以下。
C年の途中で海外転勤したことなどの理由により、非居住者となった人。


 逆に、年末調整の対象とならない人としては、給与の収入金額が2,000万円を超える人、2か所以上から給与の支払いを受けている人で、他の給与の支払者に扶養控除等申告書を提出している人や、年末調整を行う時までに扶養控除等申告書を提出していない人などが挙げられます。
 毎年なんとなく行っている年末調整も、こういった背景があるということを理解して会社から渡されている用紙に記入すると、また税への意識も変わってくるのではないでしょうか。
今回は「そもそも年末調整とは?」というテーマを取り上げる形になりましたが、より詳しい年末調整の内容や手続きについては、こちら(国税庁HP)でご確認ください。

消費税免税制度の改正について

 平成26年10月1日以降、消費税の免税制度(輸出物品販売場制度)が変わります。
 これまで、輸出物品販売場における免税販売の対象は「一般商品」のみと限定されていました。しかし改正により、「消耗品」のすべての品目が対象となり、範囲が拡大されます。外国人観光客が多い市町村の免税店が増えると見込まれます。
 「一般商品」とは、消耗品以外の物品。例えば、家電製品、時計、かばん、着物・服などが該当します。「消耗品」とは、6か月以内に消費できる物品。例えば、食料品、飲料類、薬品類、化粧品類などが該当します。
 免税条件は、「一般物品」の場合、同一の非居住者に対して、同一店舗における1日の一般物品の販売合計額が1万円(税抜き)を超えるもの。ただし、一日の販売合計額が100万円(税抜き)を超える場合には、購入者のパスポート等の写しを納税地もしくは販売場に保存しなければなりません。
「消耗品」の場合、同一非居住者に対して、同一店舗における1日の消耗品の販売合計が5千円超50万円以下(税抜き)のもの。
例)「かばん8000円」と「和菓子2500円」=合計10500円の場合、免税条件に該当しないため免税とはならない。

 非居住者が国外における事業用又は販売用として購入することが明らかな物品は、通常生活の用に供する物品に該当しないため、免税販売の対象になりません。
 また、次の販売方法に該当する場合に限り免税販売の対象となります。
@非居住者が、旅券等を輸出物品販売場に提示し、当該旅行券等に購入記録票(免税物品の購入の事実を記載した
 書類)の貼付けを受け、旅券等と購入記録票との間に割印を受けること。
A非居住者が、「消耗品を購入した日から30日以内に輸出する旨を誓約する書類」を輸出物品販売場に提示すること。
B指定された方法により包装されていること。(例えば、開封された場合に開封されたものであることを示す文字が
 表示されるシールの貼付けにより封印をする方法などの要件があります。)

 輸出物品販売場を開設しようとする事業者は、販売場ごとに、事業者の納税地を所轄する税務署長の許可を受ける必要があります。
外国人観光客が多い経営者の方は、一度検討をしてみてはいかがでしょうか?

詳しくは、国税庁HP観光庁HPでご確認ください。

所得拡大促進税制について

 所得拡大促進税制とは、平成25年4月1日から平成28年3月31日までの開始事業年度に法人や個人事業主が従業員への給与を増額した場合に、その増加額の10%分(法人税額の20%が限度額)を法人の法人税額や個人事業主の所得税額から控除できるという制度です。平成26年度税制改正において適用要件が緩和され、適用期限についても2年間(平成30年3月31日まで)延長されました。
適用を受けるためには青色申告者である必要があり、以下の要件をすべて満たす必要があります。

@基準事業年度(※1)より給与等支給額(※2)を2~5%(※3)増加させていること
A給与等支給額が前年度より増加していること
B平均給与等支給額(※4)が前年度より増加していること
(※1)基準事業年度とは、平成25年4月1日以後に開始する各事業年度のうち最も古い事業年度開始の日の前日を含む事業年度をいいます。
(※2)給与等支給額とは当期の所得の計算上必要経費又は損金に算入される給与等で、雇用者に対して支給するものをいいます。
(※3)平成27年4月1日前の開始事業年度(平成26年3月期決算法人を含む)は2%以上
   平成27年4月1日から平成28年3月31日までの開始事業年度は3%以上
   平成28年4月1日から平成30年3月31日までの開始事業年度は5%以上
(※4)平均給与等支給額とは、年間の給与等支給額÷(月別給与等支給対象者数×月数)をいいます。

 適用に当たっては、確定申告書等に税額控除の対象となる雇用者給与等支給増加額、控除を受ける金額及びその金額の計算に関する明細書を添付する必要がありますが、雇用促進税制(平成26年度税制改正で適用期限を2年間延長)のように税務申告より前に特段の手続きを行う必要はありません。雇用促進税制との重複適用は不可であり、選択適用をすることになります。また、新設法人においてもは基準事業年度は設立前なのでありませんが、調整計算を行うことにより適用を受けることができます。
詳しくはこちら(経済産業省HP)

「領収証」等に係る印紙税の非課税範囲が拡大について

 事業者が作成する領収証やレシートなどの「金銭又は有価証券の受取書」に係る印紙税については、平成26年4月1日以降に受取金額が5万円未満のものについて非課税となります。(平成26年3月31日までは、記載された金額が3万円未満のものが非課税です)
 また、「不動産の譲渡に関する契約書」及び「建設工事の請負に関する契約書」のうち、一定の要件に該当する契約書の印紙税を軽減する措置が平成30年3月31日まで延長され(第1号の1文書及び第2号文書関係)、平成26年4月1日以降に作成されるものについては、印紙税の軽減措置が拡充されることとなりました。
くわしくはこちら『「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の 印紙税の軽減措置の延長及び拡充等』(国税庁HP)

 第17号文書の金銭又は有価証券の受取書であっても、受け取った金銭などがその受取人にとって営業に関しないものである場合には、非課税となります。
 営業というのは、一般に、営利を目的として同種の行為を反復継続して行うこととされており、おおむね次のように取り扱っています。
(1) 株式会社などの営利法人の行為は、その営利法人が直接作成する株式払込金領収書などを除いて営業になります。
(2) 公益社団法人・公益財団法人などの公益法人の行為は、すべて営業になりません。
 また、一般社団法人・一般財団法人は、剰余金の分配金の分配等をすることができないため、その行為も営業になりません。
(3) 協同組合など会社以外の法人の行為は、次のようになっています。
 法令の規定などにより利益金又は剰余金の分配などをすることができることになっている法人の場合に、出資者以外の者との行為は営業になり、出資者との行為は営業になりません。
(4) 人格のない社団の行為は、次のようになっています。
 公益及び会員相互間の親睦等の非営利事業を目的として設立されている場合には、営業になりません。
 その他の人格のない社団が作成する受取書で、収益事業に関して作成するものは、営業になります。
(5) 個人の場合、「商人」としての行為は営業になり、事業を離れた私的日常生活に関するものは営業になりません。
 なお、店舗などの設備がない農業、林業又は漁業を行っている者が自分の生産物を販売する行為や医師、歯科医師、弁護士、公認会計士などの行為は、一般に営業に当たらないとされていますので、これらの行為に関して作成される受取書は営業に関しない受取書として取り扱われます。

 印紙税は明治時代からある古い税目であり、課税根拠は課税文書が作られる背景には取引があり、それに伴う経済的利益の存在を推定することが可能で、税を負担する能力があるからなどといわれていますし、文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化することに着目して広範囲な文書に軽度の負担を求める文書課税などといわれています。
 明治時代からある古い税目が現在の社会の中で必ずしも当てはまっているかどうかの議論はあるようですが、課税文書に印紙を貼らなかった場合には、本来納付すべきだった印紙税の3倍の過怠税を徴収されることがありますので注意が必要です。
くわしくはこちら『印紙税の手引き(国税庁HP)』