大変革の年

 平成21年の初頭にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 さて、昨年後半の経済・社会問題の記事を見ると非常に暗いものが多く、昨年10月のサブプライム問題に端を発した金融危機を、あのグリーンスパンFRB前議長は「100年に一度の津波」と表現しています。日本経済は金融面での傷が比較的浅かったため急激な円高となり、海外での消費の落ち込みに加えて為替面でも大打撃を受けることになりました。その結果、車・家電関係の輸出産業は軒並み業績見込みを下方修正し、派遣労働者解雇等の生産調整をはじめ社会問題になっているのは周知の事実です。
 グリーンスパン前議長は「金融機関が自己利益を追求すれば、株主を最大限に守ることになる。」という考えの間違いを認めました。これは、人間の欲望のままに経済活動を放置すれば市場で自動調整機構が作動して社会の利益を最も効率的に増進させるというアダムスミスの経済理念と同一のものですが、今回の金融危機はその欠陥を露呈することになりました。
 ここ数年、企業、経営、行政、食品等々の不正が表面化する頻度が多くなりまたその速度が速まってきましたが、運命学によると、今年は特に全てのことが明らかになる年であるようです。不正は長続きせず即座に淘汰されてしまう。そして新たなスタートが始まる。
そんな大変革、大転換期のスタートの年になりそうです。当然のことながら大変革時には大きな痛手も被ることになります。自社の利益のみを短絡的に追求する企業は排除され、本当の意味で顧客、消費者側の視点に立った企業だけが生き残る。
 中小企業は大企業の影響を直接に受けるため、厳しい試練の年になろうかと思いますがトップの経営理念を明確にすることによって方向転換が容易に図れるメリットもあります。
大変革期を乗り切り大きな方向転換を図るのは大変ですが、私たちにそのお手伝いをさせていただければ幸いです。
 素晴らしい大変革の年になりますようにご祈念申し上げます

中嶌大会計事務所 所長    中嶌 大